7月例会② 「憲法の話」3回連続講座 第2回目 「緊急事態条項及び国民投票」

7月8日(日)団地住民センターにおいて、30名の市民の皆さまの参加で、第70回例会を開催しました。
講師は、弁護士であり憲法応援団として活躍されている齋藤耕さん。北広島九条の会では以前からお世話になっており今回が三回目の講演です。
演題は、「緊急事態条項及び国民投票」。「憲法の話」3回連続講座の第2回目です。


 まず、齋藤弁護士は安倍政権の暴走の経緯を振り返りました。
2013年8月、安倍政権は内閣法制局の人事に慣習を破って介入し、集団的自衛権の行使容認の持論を持つ当時フランス外交官だった小松一郎氏を長官に据えました。そのためこれまで一定の権威を持ち集団的自衛権の行使を認めてこなかった内閣法制局のチェックが利かなくなりました。また、国家安全保障会議の議決権を、全国務大臣から総理大臣、外務大臣、防衛大臣に換え、一部の閣僚の判断で安全保障の政策に関して決められるように変えました。
その後は周知の通り、特定秘密保護法、安保法制、共謀罪等の審議なき強行採決が行われ、改憲に意欲を燃やす安倍内閣の下、今年3月自民党改憲4項目が報告され現在にいたっています。


 次に、「緊急事態条項」についてお話がありました。
「緊急事態条項」とは、「国家緊急権」に基づく条項で,これはかつてナチス政権で濫用されたものであり、明治憲法下での「戒厳令」と同様の規定です。極めて乱用の危険が高いため日本国憲法ではあえてこの条項を入れなかったという解釈もあるということです.
2018年3月25日発表の自民党改憲案は、緊急事態の条件を自然災害に特化したかのように見せかけていますが、後々法律によっていかようにも変えられる余地を残しており、危険性は2012年自民党改憲草案のものと変わらないということです。
そもそも現行の憲法(第54条)や法律(公職選挙法、災害対策基本法等)で対応可能でこの条項を加える必要性はなく、災害救助に関して言えば熊本地震の教訓のように、現地の状況が分からない国からのトップダウンはかえって弊害をもたらすことになりかねません。


 続いて、もう一つのテーマ「国民投票」についてその手続きの流れと危険性について教えていただきました。
衆参両議院の総議員の3分の2以上の賛成を得た後、国民投票にかけられますが、国民投票法には国会発議から国民投票までの期間は60日~180日の間という規定があり、最短で国会発議から2か月後に国民投票の可能性も考えられます。この国民投票法は、投票運動に関する規定、有料広告宣伝活動に関する規定また投票方法に関する規定についても多くの問題点があります。資金力に勝る改憲派の有料広告が垂れ流され、犯罪成立規定があやふやなため投票運動は萎縮しがちな中、国民に考える暇を与えずに迎える国民投票。また、最低投票制度のない投票結果は本当に国民の承認があったということになるのか。この国民投票法に関しては、日弁連でも2014年に問題を指摘する会長声明(講演レジュメ 7ページ参照)を出しているということでした。

 齋藤弁護士のお話の後、少し長い質問時間を取り、さらに理解を深めました。


 最後に、齋藤弁護士は、天皇、国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員はこの憲法を守る義務があり、そして私たちは守らせる努力をしなければならないと強調して、話を締めくくりました。
私たちは、選挙において安倍改憲にNOの審判を下すともに、考えうる限りの手段で民主主義を守る努力をしなければならないと改めて感じるお話でした。

講演レジュメは、こちら(☚click)からご覧いただけます。

2018年07月13日