軽んじられる人権

日本国憲法は、政府の暴走をくい止める縛りであるとともに、人権を保証した日本の最高法規である。

最近、人権について深く考えさせられる本を拝見した。それは、
① 布施祐仁著「経済的徴兵制」
② NHKスペシャル「消えた子どもたち」取材班編「ルポ 消えた子どもたち~虐待・監禁の真相に迫る」

の2冊である。

① は、安保法(戦争法)が施行され、集団的自衛権の行使が可能となった現在、実際、誰が武器を持ち、生命の危険を冒してまで駆け付け警護をするのか。

生活の困窮から自衛隊へと入隊する若者が、以前から居た。
現在、高校や大学の卒業時に何百万円という奨学金の返済を背負う者も少なくない。迫る返済への不安から、派遣より定職がマシと考える若者も居るだろう。

加えて、自衛隊なら社会に通用する資格が取れるというキャッチでリクルートが行われているという。

自衛官のリクルート費用は、年間200億円以上(2009年)にもなる。安保法(戦争法)が施行された今、「経済的徴兵」が現実となって来るのではないか。

② は、本人の意思や病気でもないのに、義務教育を受けられない子どもたちがいる。

保護者から虐待を受け、監禁され、学校や児童相談所、近所の誰からも気づかれずに生きていた。

やっと救い出された子どもの胸の奥の叫びを聞きながら、二度とこのような悲劇を繰り返してはならないと思う。

私たちは、こうした事柄を強く意識して、子どもやコミュニティーを見つめなければならない。(M.H)